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[セリエA]第25節 ASローマvsユヴェントス ~暫定監督vsイタリア最強監督~

ASローマはズデネク・ゼーマンを解任した。
ロマニスタは久々のゼーマニズムを楽しみ、苦々しい結果にも我慢を見せていたにも関わらず、だ。
大の苦手なカリアリ戦での敗戦でのゼーマン解任は、結果と若手育成&売却の利益追求の両立の放棄を意味するものかもしれない。
しかし、ローマのフロントはゼーマンを解任した。

そして、暫定監督が決まった。
アウレリオ・アンドレアッツォーリという指揮官である。
彼についてはロマニスタの方が詳細に記事をお書きになっておられるので、是非そちらをご覧いただきたい。

対するユーヴェは先の記事にもあったセルティック戦を戦い終え、ローマに乗り込んできた。
ミッドウィークに仕事をした彼らにとって、ローマという相手はフィジカル的にややキツイ相手だったのかもしれない。

この試合のレビューに関しては、アウレリオ・アンドレアッツォーリとアントニオ・コンテの戦術的な駆け引きに主眼を置き、そのやり取りを読者の皆様方にはお楽しみいただきたいと思う。
それこそ、この試合の面白さを掴み取って頂ける方法であると筆者は感じるからである。



☆スタメン
スタメン・前半開始時フォーメーション
ASローマ:3-4-1-2、ユヴェントス:3-5-2



☆第一局面
まずは、以下の図を見てもらおう。
スタメンフォーメーション図に対応関係の括りを付けくわえたものである。
スタメン・予想フォーメーション(対応関係付き)
ASローマ:3-4-1-2、ユヴェントス:3-5-2


まず、ローマは対応関係通りに守る。
ただし、アンドレア・ピルロに対してはトッティやオズバルドがマークの補完に加わりつつ、バックラインにはボヌッチに対する対応を主眼に置く。
それに対し、序盤はユーヴェが様々なところを突きながら、ローマの穴を探すことになる。
ローマの攻撃はというと、トッティが得意のポストプレーを担当し、ラメラをトッティが開けたスペースに飛び出しドリブルを織り交ぜながら崩すという手法。
トッティのポストプレーとその高精度のスルーパス、ラメラのドリブルをより活かすためにカウンターをメインにすることになる。

対するユーヴェはというと、いつも通り、まずは個々の戦いに専念する。
アンドレアッツォーリが作った対応関係に逆に乗り、その個の戦いに勝ってしまえれば勝ってしまおうという考えがコンテにはハッキリあったに違いない。
まずは、ボールポゼッションを保ちつつ、ローマの穴を探す。
ユーヴェはジョルジュ・キエッリーニ、クラウディオ・マルキージオを欠いていたとはいえ、全ポジションにクオリティの高い選手がスタメンに名を連ねているのである。
じっくり戦えば良いのである。
ピルロへのマークは、ピルロ自身があっさり往なしたし、アンドレア・バルザーリやマルティン・カセレスへのプレッシングはやや緩かったため、そこからの安定的なパス供給が図れていた。


☆第2局面
それに対し、ローマはいくらマークについても往なしてしまうピルロへの徹底マークを諦め、ピルロにパスを出すバックラインへのプレッシングを強化する。
こうして特に見え始めていたバルザリの攻撃参加を緩めたかったに違いない。
そして、あわよくば高い位置でボールを奪いショートカウンターに持ち込みたかったのだろう。
それと同時に高い位置を取り始めるアルトゥーロ・ビダル、ポール・ポグバの場所にトッティが入る。
つまり、ピルロの両脇のスペースを上手く使おうという対ユヴェントスの手段としては常套手段を用いる。
そこから特にピルロとトッティのマッチアップが目立ち始めるのである。
(最初から最後まで激しくぶつかり合うピルロとトッティの姿はご覧になられた皆さんは多かったと思う。)

ユーヴェは逆にボールポゼッションを保ちつつ、ローマの穴を探す。
しかし、ユーヴェには誤算もあった。
それは左ウィングバックに入っていたクワドウォ・アサモアがアフリカネーションズカップからの疲れのためか、あまり動きがなく、ボールの受け手になれないことであった。
そこで、珍しくもそこまで穴を見せないローマに対して容赦ない選択肢を振るう。
それがローマの中盤の要、ダニエレ・デ・ロッシを左右に走らせ、スタミナを削いでしまおうという策である。
それに加え、デ・ロッシをサイドに釣り出してしまえば中央の攻略が簡単になると考えたのであろう。
デ・ロッシの横は決して守備の上手いとはいえないミラレム・ピアニッチであるのだから。

こうしたやり取りの中、前半は終了する。
決定機といえば、アンドレア・ピルロの素晴らしいフリーキックをマールテン・ステケレンブルフがセーブしたあのシーンのみだったと筆者は感じる。


☆第3局面
前半最後の方からではあるが、ユヴェントスは2トップに縦の関係を付けていた。
基本はマトリが前で、ヴチニッチが後ろに。
マトリがポストプレーなどで下がった場合はヴチニッチが前に出るという関係である。
これはここ最近のユーヴェがよくやるものであり、後半からはそこにマルキージオ役のポグバがさらにポジションを前に上げる。
こうすることによってユーヴェが作り出すのは前線やや左気味に出来る密集である。
マトリ、ヴチニッチ、ポグバが左気味に密集を作りだし、その連動から裏に抜け出す形はセルティック戦でもゴールに繋げている。

それに対し、ローマ、アンドレアッツォーリはしっかりと対策を作っていた。
その鍵がイヴァン・ピリスのセンターバック起用である。
この日ピリスに与えられていた役割は単に3バックの脇のセンターバックの選手がするような攻撃参加のみを担っていたわけではない。
それは、今シーズン3バックのインテルでファン・ヘススが担っていたフリーマンのセンターバックという役割である。
つまり、ピリスは前に飛び出してきたポグバに対してマンマークを敢行し、バックラインから外れる。そこで残る2人のセンターバックでユーヴェの2トップに対応する。
そこで際立ったのが左のマルキーニョスである。
彼は2トップに対する対応に加え、中に切りこんでくるリヒトシュタイナーにも対応しなければならなかったが、その2足の草鞋をきっちり履きこなす。
ブルディッソはもともとカヴァーリングを得意としており、インテルのサムエルの役割はきっちりこなす。
こうして、ローマはユヴェントスに対しての対応策を余すと来なく披露することとなる。

そう、全てを晒した中で、中盤の体力が持つ間が勝負となるのである。


☆アンドレアッツォーリの勝負のタイミング
こうして後半立ち上がりに勝負を仕掛けたアンドレアッツォーリの策に報いようと奮闘したのが、昨日のローマの勝因かもしれない。
前半からかなり走っていたラメラを、中心に据えられたトッティが活かす。
そのラメラが囮となりつつ、オズヴァルドをも活かす。
さらには動きのよくないアサモアと対面のヴァシリス・トロシディスを活かす。
左は元々は攻撃的なマルキーニョスが左から中にカットインも繰り出しながら攻撃参加を繰り返す。
こうして、まずはローマは48分にオズヴァルドがバックラインの裏を取る。
その次の49分はユヴェントスがポグバの落としにヴチニッチがミドルで応戦する。
さらにその次のシーンはトロシディスがユーヴェのバックラインの裏を強襲する。
こうしてローマは一気にカウンターの打ち合い、つまり、トラジション(攻守の切り替え)勝負に持ち込み、ゲームのペースが一気に上がる。

こうして一気に前に出てきたローマに対して、トラジション勝負を真向に受けるのがユーヴェの強気なところである。
しかし、この日のユーヴェにローマの真っ向勝負を受けるだけの体力があまりなかったのも事実なのである。
ミッドウィークにCLを戦ったユーヴェはフィジカルコンディションがあまり良くなく、普段ならトラジション勝負でも圧倒的に強さを発揮するはずが、この日は圧倒できないのであった。

こうして両チームがカウンターから形を作り始めたその時、コンテも動く。
56分、トラジション勝負になるに当たってあまり動きの良くなかったクワドウォ・アサモアをシモーネ・パドインと代え、ミルコ・ヴチニッチをよりスピードがあり、ドリブル突破のあるセバスティアン・ジョビンコに代える。
この日は小細工よりも真っ向勝負で勝つというコンテの意思表示であったのだろう。

しかし、ゲームはアンドレアッツォーリに幸運を運ぶ。
交代直後、フリーキックのこぼれ球からピアニッチが上げたクロスにオズヴァルド。
これはブッフォン真正面。
ゲームがローマに傾き始める。
すると、58分のことだった。
これもまたフリーキックがこぼれるが、こぼれた先には右足を振り抜くフランチェスコ・トッティがいた。
このダイレクトのミドルは時速98km/h~120km/hまで諸説伝えられているが、ユーヴェのゴール左上に弾丸で突き刺さった。
これでローマが先制に成功する。

先制後も中盤の体力が持つ限りは勝負であった。
できれば追加点も取っておきたいからである。
それはローマに多い試合終盤の失点のことを考えてのこと。
65分にはユーヴェのコーナーキックからカウンターで最後はデ・ロッシがシュートを打ち損じるというチャンスもあった。

対するコンテは真っ向勝負を引き受けての2枚の交代の直後の失点。
出鼻を挫かれたような思いであったであろう。


☆最終局面へ
68分、アンドレアッツォーリはついに疲れたピアニッチに代えてマイケル・ブラッドリーを投入する。
この意図は、ブラッドリーの守備での貢献、特に相当多くのタスクを背負い続けたデ・ロッシの負担軽減であり、さらにはその運動量を活かしてトラジション勝負を続けるというものであったであろう。

それに対し、コンテも動く。
こちらもミッドウィークも含めて走り続けたアルトゥーロ・ビダルに代えてニコラ・アネルカを投入し、4-3-3に切り替える。
久々のコンテの4-3-3は、アンドレアッツォーリの意図した対応関係に対するズラしの意図で、このアネルカの投入によってトラジション勝負を往なし、ポゼッションに持ち込みつつ個のクオリティ勝負に持ち込んだユーヴェはやや息を吹き返す。
(参考:以下の図。対応関係付き。)
コンテ、最後の仕掛け
ASローマ:3-4-1-2、ユヴェントス:4-3-3


しかし、これは諸刃の剣でもあった。
後ろの対応関係がタイになったことで、より輝くようになるのがフランチェスコ・トッティであった。
31分、中盤でボールを受けたトッティがピルロを交わし、独走すると、裏に飛び出したオズヴァルドへ。
これは惜しくもオフサイドとなってしまう。
32分、高い位置でボールをカットしたラメラから右に開いたトッティ。
そのクロスはブッフォンが弾くがマルキーニョが反応する。
しかし、これはゴールを外れる。

ユーヴェは完全に疲れていた。
特に前半からラメラとトッティに激しく削られ続けていたピルロの疲れは目に明らかでその絶品のパスも影に潜んだ。

あとはゲームを終わらせるだけだった。
アンドレアッツォーリの選んだ交代は、83分、マルキーニョに代えてフェデリコ・バルザレッティ。
そして、最後はこの日唯一のゴールではあるが、最高級のゴールを決めたフランチェスコ・トッティに代えてアレッサンドロ・フロレンツィを88分に投入し、そこで3-5-1-1に変更、中盤に厚みを加えて試合終了へ。

こうしてやった策がそのまま思い通りの形になるというアウレリオ・アンドレアッツォーリの幸運と、久々に試合中の駆け引き勝負で負けたアントニオ・コンテの戦術勝負は幕を閉じるのであった。
試合終了後のローマの歓喜に沸くローマ・オリンピコのファン、そして、ピッチ上のローマの選手達の中心にいたのは、もちろんフランチェスコ・トッティであった。

試合結果

Totti(Roma).jpg

photo_1361052973231-1-0.jpg

Totti 2





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Tag:UEFAチャンピオンズリーグ  Trackback:0 comment:0 

[セリエA]第25節 ACミランvsパルマ ~「世界最強」との再戦直前に見つけたもの~

ミランはまたもやバルセロナと対戦することになった。
シーズン中盤に入って安定した4-3-3は、今シーズン、中心選手となったステファン・エル・シャーラウィを気持ちよくプレーさせるためであり、守備時は4+5ブロックを作って全員ディフェンスをするということを目指したものである。
アレッサンドロ・ネスタ、チアゴ・シウヴァ、ファン・ボメルを失ったミランにはもう個の圧倒的な力で守り切ってしまうという荒技は繰り出せず、守備で四苦八苦していたミランはこれで全員守備という形で安定を得るしかなかったのである。

エル・シャーラウィは走った。
守備ではサイドバックほどまで下がり、何ならゴール前でピンチシーンでボール奪取するときさえあるほど。
毎試合、それを続け、特にターンオーバーもされず。
ファラオーネが左膝に再び問題を抱えることになるのは不可避なことであったのかもしれない。

バルセロナ戦を迎えるにあたって、特にホームで失点を避けたい時、エル・シャーラウィは必要不可欠な人材である。
ミラニスタは夢見ているかもしれない。
自陣左サイドでボールを奪ったファラオーネが自らドリブルでバルセロナディフェンスを切り裂き、ゴールを奪ってしまうのを。
ディエゴ・マラドーナ、リオネル・メッシの5人抜きドリブルからのゴールのように。。。



☆スタメン
スタメン・前半開始時フォーメーション
ACミラン:4-3-3、パルマ:4-3-3


☆4-3-3の弱点
ここ最近、ミランはある弱点を露呈していた。
上図のように、4-3-3の場合、基本的には守備時には4+5ブロックを形成し、スペースを固める。
しかし、これだと相手もまた中盤を3センターにされると、アンカーをフリーにしてしまいやすくなる。
試合序盤はその場所からの安定的なビルドアップに対し、ミランは完全に押し込まれる。
そして、そこで効いたのは故障明けのコンスタンとジェペスが久し振りに復帰したサイドを攻めるノリノリのジョナタン・ビアビアニーだった。
パルマはビアビアニーを効果的に使いながら、中にはアマウリ、そして左から中に入って来るニコラ・サンソーネを中心にシュートチャンスを作る。
対するミランはクリアボールを相手に渡しては帰陣するシーンがほとんどで、攻撃になっても個々の選手間の距離が遠く、さらに仕掛けのスイッチを入れる選手が不確定なため、単発な崩しを時折見せるのみに留まる。
序盤のミラニスタは心細い試合開始を見ることとなる。


☆アッレグリが久々に見せた的確な修正
筆者からすると、マッシミリアーノ・アッレグリは試合中の駆け引きや修正に弱い。
昨シーズンはアントニオ・コンテとの駆け引き勝負を仕掛けたこともあったが、今シーズンは駆け引きを仕掛けるだけの駒不足というのもあり、試合中の劣勢を打開する策は、あまりにも無策にも見えるときがある。
(もちろん、修正後同点や逆転に成功したことはあったが、メカニズムはそこになく、単なる駒の調整に終始していたと見ている。)

しかし、この日は違った。
クリアボールをどこに蹴り出そうがほとんど攻撃に繋がらなかったことを受け、ケヴィン・プリンス・ボアテングをトレクァルティスタに、そしてバロテッリとエムバイェ・ニアンの2トップに。
つまり、4-3-1-2である。
それと同時にボアにヴァルデスのマークを任せ、守備の役割分担を明確にする。
もちろん、これによってパルマにサイドの数的優位を譲ることとなるが、それでも中央の役割分担がハッキリとしたことで、ミランは体勢を立て直し始める。
さらに、ニアンには守備のタスクをそのまま与え続けた。
その修正による形勢逆転の象徴となったのが、39分のことだった。
右サイドのデ・シリオの速いグラウンダーのクロスに、パルマのガブリエル・パッレッタがオウンゴール。
ある意味ラッキーな形ではあるが、ミランは先制に成功する。


☆形勢優位ながら負けてしまうドナドーニの不運
筆者は、ロベルト・ドナドーニこそ今シーズン最も成長している監督だと思う。
選手層がやや拡充されたパルマだからこそではあるが、4-3-3と3-5-2の使い分けは対戦相手によって振り分け、それを見事に機能させている点においては、昨シーズンの流行の後追いであるにしても評価しうるものである。
そんなドナドーニのパルマが11月にはインテルを下し、1月にユヴェントスからドローをもぎ取ったのは偶然ではない。
(もちろん、1月のユヴェントスはウィンターブレイク中のハードトレーニングの疲れから調子を落としていたことは事実であるが。)

そんなドナドーニの4-3-3はアッレグリに1つの示唆を与えてくれた。
そう、次なる対戦相手、バルセロナもまた4-3-3を用いるチームだからである。

試合はというと、その後、悪くない流れで試合を進める。
もちろん、パルマが点を取りに来たため、前掛かりになり、バックラインが高くなったこともあって裏を取りやすくなったおかげでもあるが、チャンスシーンは作り上げていた。
しかし、2点目は流れの中からではなく、マリオ・バロテッリの美しいフリーキックからであった。
バロテッリはカップタイドのためバルセロナ戦には出場できないが、次節ミラノデルビーではまた一花咲かせてくれるかもしれない。

そして、その気分をそのままに2-0で試合終了、と言いたいところではあるが、ラストプレーで右からのクロスからニコラ・サンソーネに1点返されるのも今年のミラン。

1つの発想を得つつ、課題を露呈したミランは、水曜日には1点も取られてはならない勝負の再戦を迎える。



☆その他、筆者雑感
1. センターバックについて。
クリスティアン・サパタはマリオ・ジェペスと組ませるとまだマシ。
リオネル・メッシを止めるにはマリオ・ジェペスが必要だと考えており、相方はサパタが補完性では1番ではないか。
Bプランとしては、マッティア・デ・シリオとマリオ・ジェペスのコンビ。
こちらはバルセロナの前プレ対策の意味も込めて。

2. 中盤3センターについて。
この日、非常に気に行ったのは、前半はリッカルド・モントリーヴォが攻撃に参加し、その代わりに右インサイドに入ったアントニオ・ノチェリーノがカウンター対策のためバランスを取っていた関係性。
後半途中、リッカが省エネを始めたあたりから代わりにノチェリーノが攻撃参加を繰り出しており、こうした関係性がしっかりできてきたことは非常に評価したい。
やみくもに走ることよりも、効果的に走ってほしい。
それが筆者の持論でもある。
リッカとノチェのセットがやっと完成すれば今後非常に大きい。

試合結果





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[UEFAチャンピオンズリーグ]決勝トーナメント1回戦1st leg レアルマドリードvsマンチェスターユナイテッド ~「バルサの幻影」を探して~

間違いなく決勝トーナメント1回戦のメイン対戦カードとなったレアルマドリードvsマンチェスターユナイテッド。
このゲームは世界中のサッカーファンが注目したことであろう。

両チームの指揮官は、過去にはプレミアリーグで火花を散らしたことのある2人である。
その頃、ジョゼ・モウリーニョはチェルシーの指揮官であった。
モウリーニョは常にライバルを作り続ける監督である。
チェルシー時代のモウリーニョは間違いなく打倒マンチェスターユナイテッドであった。
現在は間違いなくバルセロナのみを見ている。
しかも、現在のティト・ヴィラノバのバルサではなく、ペップ・グァルディオラのバルサを。
まさしく「幻影」である。

サー・アレックス・ファーガソンはマンチェスターユナイテッドの顔である。
そのサー・ファギーもまたバルセロナの幻影に魅了された。
2011年5月28日、ウェンブリーで自らを翻弄しきったバルセロナに。
それからというもの、マンチェスターユナイテッドのフットボールは大きく変わった。
そこで飛びついた目玉商品には、日本代表の香川真司も含まれる。
マンチェスターユナイテッドが、パス・フットボールを体得しきっているかは別として・・・・・。


☆スタメン
後半開始時フォーメーション
レアルマドリード:4-2-3-1、マンチェスターユナイテッド:4-2-3-1


☆先手、サー・アレックス・ファーガソン
多くの人がスタメンを見て、思いついた2列目のラインは違ったはずだった。
右からダニー・ウェルベック、ウェイン・ルーニー、香川真司という並びであったはずである。
しかし、違った。
右からルーニー、香川、ウェルベックという形である。
これはレアルマドリードの強力な左サイドに対して、ラファエウとウェルベックでは押し切れないと判断し、守備の貢献も計算できるルーニーを右に置き、対応した形である。
サイドの対応関係をタイに持ち込む意図があったと見る。

まずはフォーメーション通りにマッチアップを仕掛けたのは、モウリーニョ。
小手先の変化には負けないという自信がしっかりあったのだろう。
バックラインをかなり高く敷き、ユナイテッドの弱いビルドアップにプレッシングをかける。
中盤からサミ・ケディラ、左サイドバックからファビオ・コエントランもオーバーラップを仕掛けるという形で攻撃に厚みを付けると、ユナイテッドはかなり手こずる展開となった。
こうして序盤からレアルが押し込む展開となり、シュートシーンを連発させる。
3分にケディラ、4分にディ・マリアとシュートに持ちこむと、最初の惜しいシーンはレアルだった。
6分、左でクリスティアーノ・ロナウドがラファエウとの1対1からクロスを上げると、そのこぼれ球に反応したのはコエントランだった。
右足でコントロールされたシュートに間一髪デ・ヘアが指先で触るとボールは右ポストを直撃した。
前半15分頃には既にラファエウがクリスティアーノ・ロナウドに崩され、ルーニーが守備に奮闘せざる得ない様相を呈していた。
対するユナイテッドはウェルベックと香川が裏へ飛び出すくらいしか攻撃の糸口がなかったが、これを続けてレアルのバックラインを押し下げていくことが最初のミッションであった。
そんなレアルの圧倒的な優勢の中、レアルが脆さを露呈させる。
20分、香川が裏へ飛び出して奪ったコーナーキックから、ダニー・ウェルベックが呆気なくヘディングゴールを奪ってしまう。
今シーズンのレアルはモウリーニョのチームらしからずセットプレーからの失点が多い。
それに加え、既にこの頃に負傷離脱中のイケル・カシージャスに代わって出場中のディエゴ・ロペスとバックラインの連携がほとんど取れていないことが明らかだった。
そんな脆さを突いたユナイテッドのまさに僥倖のゴールだった。


☆合理性を失っていくレアル
ジョゼ・モウリーニョにとってのフットボールとは合理性の追求であると筆者は考える。
さて、このチャンピオンズリーグのトーナメントにおけるキーポイントはアウェイゴールである。
以下は筆者の考えであるが、
1. ホームではアウェイゴールを取られないこと。
2. アウェイではできる限りアウェイゴールを取りつつ、崩れないこと、つまり負けないこと
が合理性の追求であると再三ではあるが主張させていただく。
そういう意味で、この時点でモウリーニョの真の狙いは潰えていた。

それでもモウリーニョは勝負師である。
ましてや昔のライバルに負けることはそのプライドが許さない。
彼は先制点を奪われると攻撃時はサミ・ケディラの位置をより高く上げ、クリスティアーノ・ロナウドを自由に真ん中に入らせ、エジルに右へ左へとピッチの様々なところに顔を出させた。
それはいわば攻撃時は局面によっては4-1-4-1のようであり、局面によっては4-1-3-2。
流動性を高めたレアルにファギーは対応しきっていなかった。
そんな30分、左でエジルが獲得したスローインを、コエントランがスローインすると受けたのは右から左に流れてきていたアンヘル・ディマリアだった。
ディマリアは中に簡単にクロスを上げるとファーサイドにはクリスティアーノ・ロナウド。
クリスティアーノ・ロナウドは打点到達点3mと言われる高いジャンプからボールを強打。
ボールは美しくもゴール右サイドネットに突き刺さり、レアルは同点に追いつく。

そのイケイケの状況に乗じて一気に逆転できないのも今シーズンのレアルである。
34分、左サイドでファン・ペルシーと香川が前まで運びながらレアルの両センターバックを引き出すと、フェン・ペルシーがカヴァーに入ったシャビ・アロンソとキーパーの間に絶妙のクロス。
これに反応したのはウェルベックだったが、ギリギリでディエゴ・ロペスが触りコーナーへ逃れる。
しかし、明らかにレアルは弱点を露呈していた。
そのコーナーからもディエゴ・ロペスが飛び出していたところに、こぼれ球を拾ったルーニーがシュートを放つも、こちらはゴール左へそれた。
しかし、これら一連のセットプレーのディフェンスを見たモウリーニョは明らかに焦りと苛立ちを隠せないまま立ってゲキを飛ばしていた。
普段ならば静かに座ってメモをとっているはずであるのに。。。
そして、この頃にはじりじりっとバックラインが押し下げられ始めていた。

それでもレアルにはチャンスが2度訪れた。
38分、自陣左サイドからのフリーキック、シャビ・アロンソは一気に裏にボールを出す。
飛び出していたのはエジル。
これを受けたエジルは右足を振り抜くもデ・ヘアがしっかりとセーブする。
続く39分、カウンターからディ・マリアがドリブル、左サイドからクリスティアーノ・ロナウドが中へダイアゴナルランで入っていくとラファエウが付いていく。
そうして広大に開いた左に流れたのはフリーのエジルだった。
ディ・マリアから絶妙に出されたエジルへのスルーパス。
しかし、利き足は左足のエジルにはシュートコースは十分にあったのにもかかわらず、中のクリスティアーノ・ロナウドへパスを選択すると、マークしていたファーディナンドとカヴァーに入ったルーニーがギリギリで挟み込み、ロナウドにボールを触らせない。
レアルは絶好の追加点のチャンスを逃してしまう。

こうしてチャンスを逃したレアル、モウリーニョは不機嫌に前半終了のホイッスルを聞くことのなった。


☆サー・ファギーの次なる仕掛け
後半開始時、サー・ファギーは次なる仕掛けを用意する。
それがスターティングラインナップから予想されていた2列目の並びへの転回である。
以下、後半開始時のフォーメーションを図にしたものである。
後半開始時フォーメーション
レアルマドリード:4-2-3-1、マンチェスターユナイテッド:4-2-3-1



☆「リーガの2強」に対するファーガソンの「畏怖」
こうして対応関係を見てみると、一見勝負に出たかのように見えるこのファギーの修正の裏に、実は大きな「影」がある。
それは香川を応援する方が気付きやすい形となって表れていた。
後半開始すぐから気付いた方も多いのではないだろうか。
香川が自陣で守備に戻っている姿を。
実は彼の対応関係は対面のアルベロアではなく、サミ・ケディラであった。
後半、香川はアタッキングサードに侵入してきたケディラに対応するために、ややセンターに帰陣し、ケディラのオーバーラップに対応する。
その後、香川はビルドアップに参加しながら、攻撃に出ていく。
守備に奮闘する香川が徐々に攻撃の場面から姿を消していった影には、「本来の仕事ではない」守備のタスクを精一杯に背負わされた「バランス役としての香川」という一面があった。
さらに、後半からはエヴラがオーバーラップを繰り返し、だんだんと試合から消えていく香川の代わりに、次第にファン・ペルシーが埋めようになっていく。
そのエヴラのオーバーラップからできたチャンスの一例が54分の裏に飛び出したエヴラがヴァランに倒され、マンチェスターユナイテッドにとっては残念ながらファールも取ってもらえなかったシーンであった。

☆「リーガの2強」への畏怖という「闇」
次に動いたのもサー・ファギーであった。
左サイドの香川にバランス役を命じたのと同様、右にももう1人のバランサーを回す。
ウェイン・ルーニーである。
その代わりにダニー・ウェルベックを前に出し、マンチェスターユナイテッドは守備時には4-5-1のようになっていく。
以下がその図である。
後半途中①フォーメーション
レアルマドリード:4-2-3-1、マンチェスターユナイテッド:4-2-3-1



☆魅せる次世代の星
モウリーニョは単純に選手交代で動く。
この日、出来のよくなかったカリム・ベンゼマに代えて、ゴンザロ・イグアインを60分に投入する。
そして、その直後、右サイドに流れていたエジルから、更に右に流れていたケディラへパスが出るとファーサイドに絶妙なクロス。
それに反応したのはコエントランだった。
しかし、滑りこみながら合わせたシュートにデ・ヘアは足でセーブ。
またもや大ピンチをデ・ヘアが救う。

すると、レアルも若き次世代の星が魅せる。
2ラインの間でボールを受けて突っかけてくるウェルベックにヴァランが落ち着いて付き切り、最後はコースを無くしながら無理矢理持ち込んだシュートにしっかりと対応しきったのである。
非常に素晴らしい対応であった。

☆「何でも屋」としての先達に
64分、香川はライアン・ギグスと交代する。
前半は裏を狙う役割、後半は守備にと本来の仕事をする機会はほとんどなかった。
持ち前の2ラインの間を突く動きや、その狭いスペース内で細かいボールのやり取りを通じて得点を奪いにいくような動きを披露することもなかった。
それはひとえに能力以前の問題で、サー・ファギーのこの日の戦術がそれを是とするものではなかったからである。
険しい表情でベンチにさがっていく香川は何を思っていたのであろうか。
そのとき、筆者はそれを思案しつつ、香川に「バランサー」や「マンマーク」を命じ、本来の能力を活かすことなく下げたサー・ファギーの「非情」なまでの扱いと香川を活かしきれない昨今の「バルサの幻影を追い求める」姿の矛盾を考えるのであった。

香川と交代して入ったギグスはベテランとしての深みを感じさせることとなる。
ピッチを広く見るその視野、その素となる首振りの多さによってサー・ファギーに安心感を与えたギグスによって、サー・ファギーはファン・ペルシーとウェルベックを2トップに置いた4-4-2にやや軌道修正する。
これで前への圧力をやや取り戻したユナイテッドはチャンスを作る。
71分、ルーニーからボールを受けたファン・ペルシーは右足を振り抜く。
しかし、これはディエゴ・ロペスが触り、ポストに直撃する。
その直後、ディ・マリアのクリアをキャリックがヘッドすると、抜けだしたのはまたもやファン・ペルシーだった。
だが、浮き球を珍しくジャストミートで打ち損じたシュートはディエゴ・ロペスは抜くも、追い付いたシャビ・アロンソにクリアされてしまう。

☆策に溺れるかのように
この日のサー・ファギーは先手先手でバランスを目指した。
次なる交代はやや疲れを見え始めたウェルベックに代えて、アントニオ・バレンシア。
それに対し、勝っておきたいモウリーニョはこちらも試合から消え始めたアンヘル・ディ・マリアに代えて、ルカ・モドリッチを投入し、崩しにアイデアを加えようとする。
エジルは右サイドにポジションを移した。

ここで、筆者の主観的な感想を述べさせてもらうと、サー・ファギーは策に溺れたかのように見える。
この日のサー・ファギーは「仕掛け」ながらも、常に追求したのは「バランス」である。
それは、「バルサ」と対局にある「ライバル」のレアルマドリードに対する「畏怖」によるものであったと見る。
あくまでもユナイテッドはアウェイゴールを取りに行くべきであった。
特に、順調に事が運んでいた4-4-2をバレンシアの投入でまた4-2-3-1のようにする必要はなく、ウェルベックに代えて投入すべきだったのは、ハビエル・エルナンデスであったのではないか。

対するモウリーニョはと言うと、最終的には「無策」に陥ってしまった。
前半終了までは良かったものの、後半は交代の切り札もなく、引いた相手を崩すカードを持っていなかった。
リッキー・カカは筆者の思うカードではあろうが、おそらくモウリーニョにとっては切る気のほとんどないカードであったと推察する。
勝負師が勝負をするのは、「破壊」できる対象がある場合なのである。
そういった意味では、サー・ファギーにお株を奪われたのかもしれない。
「スペシャル・ワン」が徹底しているはずの「セットプレー」から点を取ることも含めて。。。
ラストプレーまでそのセットプレーからチャンスを作られたのである。


2nd legはまたもやサー・ファギーの先手からゲームは開始される。
モウリーニョは望んでいるだろう。
「バルサの幻影」を見せろと。
それは彼の試合後の談話に表れている。
「結果に驚きはない。2nd legの終了のホイッスルが鳴るまで勝ちに行く。(勝てる可能性は)50%/50%だ。でも、我々はオールドトラフォードの方が点を取ることができる。」
しかし、それができるのは、モウリーニョに「破壊」すべき「バルサの幻影」があるときだけかもしれない。

試合結果

ファギーとCR7の再会





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[UEFAチャンピオンズリーグ]決勝トーナメント1回戦1st leg バレンシアvsパリ・サンジェルマン ~リーガvsリーグアン、カルチョ仕立て~

バレンシア、「オトラリーガ」と呼ばれるバルセロナとレアルマドリード以外の18チームの中で覇権を争うチームである。
バレンシアを一言で「バランスの取れた好チーム」と表現させて頂きたい。
昨シーズンまでそのオトラリーガの覇権を我がものにしてきた立役者ウナイ・エメリに別れを告げ、クラブレジェンドでもあるマウリシオ・ペジェグリーノを招聘。
新たな船出を切ったがそれは頓挫、エルネスト・バルベルデが昨年12月から就任している。

パリ・サンジェルマン、もうこのチームについてはかなりの知名度となったことであろう。
カルロ・アンチェロッティ監督は筆者が最も信奉する監督である。
アンチェロッティがチーム戦術を創案する際に最重要視されるのは、選手の特性である。
選手の特性を最大限に生かすことを主眼に置いたチーム形成は、カルレットが選手の特性を知れば知るほど成熟する。
さらに、パリ・サンジェルマンはその潤沢な資金によって、世界中からハイレベルな選手を獲得し続けている。
この冬もまた、素晴らしい選手を獲得した。
ルーカス・モウラである。


☆スタメン
スタメン・フォーメーション
バレンシア:4-2-3-1、パリ・サンジェルマン:4-4-1-1


☆リーガフットボールvsカルチョ
この試合は立ち上がりからお互いの指揮官のサッカー観がはっきりと現れていたのではないだろうか。
ホームのバレンシアは自分達のサッカーを貫く。
パスを数多くつなぎ、無理をしすぎずポゼッションを保ちながら、パス交換を通じて崩していこうとする。
対するアウェイのパリ・サンジェルマンはポゼッションをある程度放棄し、守りつつ、個の力を最大限に使いつつアウェイゴールを取りに行く。
無理はしすぎず、チャンピオンズリーグのトーナメント、アウェイゲームには鉄則の効率よくアウェイゴールをできるだけ取りに行こうとするPSGは「まさしくカルレットのチーム」を見ているかのようだった。
もちろん、序盤から主導権はバレンシアに傾きかけていた。

しかし、最初のチャンスはPSGだった。
9分、中盤でのボール奪取からマテュイディが裏に飛び出そうとするイブラにパスを出し、イブラにラミが対応。
イブラが潰れたこぼれ球が右のルーカス・モウラへ。
それをルーカス・モウラがミドル打つと、ボールは左のゴールポストを叩いた。
さらに、その直後、右に流れていたポチョ・ラベッシにパストーレが近付き、ワン・ツーで裏のスペースへ。
その勢いのままリカルド・コスタをドリブルで軽く交わすと、角度のないところから強烈なシュートをファーサイドに叩き込む。
10分でPSGはアウェイゴール、先制点の奪取に成功する。


☆アウェイゴールという魔物を巡って
この試合ではっきりとしていたのは、特別なことはしないバレンシアと、特別感のあるPSGという対局にある見え方であったのではないだろうか。
バレンシアはある意味いつも通りだった。
中盤には守備的なピボーテでは今なおリーガ屈指のダビド・アルベルダではなく、パサータイプのダニエル・パレホを起用し、安定してパス供給を目指した。
さらに、決してサイドに適性のあるとは思えないジョナスを左サイドに置いた点も普段のリーグ戦と変わらない。
このジョナスの左サイド起用は、左サイドバックが普段のアリ・シソコを負傷で欠いたため、より攻撃的なグアルダードを起用していたため、中に入っていくタイプの選手を使う方が効率的に思えただろうが。
しかし、中盤のフィルター役としてのアルベルダ、あまり守備をする方ではないジョナスのサイドハーフ起用は、あきらかに攻撃的なイメージを持たざるを得なかった。

対するPSGの方はCL仕様だったと見る。
イブラの守備負担を少なくするのはいつも通りだが、この日はポチョ・ラベッシの守備負担もトップ下起用によって軽減を図った。
グアルダードが先発するとある程度わかっていたサイドには、攻撃的ではあるが守備貢献もしっかりするルーカス・モウラを起用した。
ハビエル・パストーレは左サイドに置きディフェンスを課す。
中盤センターは守備には不安があるがパス配球のできるヴェッラーティと、中盤のフィルター役をこなすマテュイディ。
奪ったらすぐ中盤からルーカス・モウラ、あるいはポチョ・ラベッシに叩き、イブラを経由すればアクセントを加えるというシンプルかつ効率的な形。

試合展開もこのお互いの狙いのはっきりと出た試合となる。
先制点を取られた後も、バレンシアがゲームを支配する。
特にPSGの左サイドは、ハビエル・パストーレが中に絞ることが多く比較的スペースが空いていたため、バレンシアはそちらから崩しに掛かろうとする。
逆に左サイドはスペースが狭く、あまり攻撃が形にならない。
この日のバレンシアは、右サイドのスペースを利用して抉ることはせず、中へ中へと入って行ってはパス交換で崩そうとするが、決定的なシーンは作れない。
逆にPSGで輝いたのはブレーズ・マテュイディを中心としたディフェンス。
的確にパスコースを切りつつ中盤でのボール奪取を繰り返し、ヴェッラーティと共にルーカス・モウラとポチョ・ラベッシにパスを通しては、カウンターが仕掛けられるという展開に。
世界随一のこの2人のドリブラーが前線に運んで仕掛けを繰り返す中、イブラにボールが渡れば攻撃に落ち着きと変化を齎し、バレンシアディフェンスの対応を困難にする。
パストーレもこの日は崩しの局面に関わろうと左サイドから中にどんどんと侵入した。

そして、43分。
右サイドを抉ったルーカス・モウラから中に入り込んだパストーレにマイナス気味のクロス。
パストーレはこれをしっかり決め、PSGが狙い通りの2点目のアウェイゴールを奪ってしまう。

前半はこうして「持とうとしたバレンシア、持たせたパリ・サンジェルマン」という構図のハッキリした展開となった。


☆より目標を目指して
ハーフタイムからバルベルデが動いた。
完全に近いほどゲームから消えていたジョナスに代えて、セルヒオ・カナレスを投入し、同時に2列目センターでバランス役も務めていたバネガに代えて、ネルソン・ヴァルデスを投入する。
これでかなり目的がはっきりしたバレンシアは攻撃の圧力を高める。
同時に前線からのプレッシャーをより高めることで、PSGのビルドアップさえも制圧しようとする。
結果的にはこれは功を奏する。
まずは左に入ったカナレスが崩しのアイデアを供給し、ネルソン・ヴァルデスが攻撃に厚みを加える。
こうしてバレンシアは後半早々からピッチ全体を広く使ってゲームメイクをするようになり、PSGのディフェンスを押し込み始める。

これにカルレットも対応する。
円滑に攻撃を始めたバレンシアの左サイドに対応するため、やや疲れが見え始めていたルーカル・モウラに代えてクレマン・シャントームを投入し、バランスをとりに。
シャントームが入って運動量が増したことによってゲームバランスはまた拮抗したものに戻っていく。

そんな中、両チームが同様の形でチャンスを作る。
61分、ティノ・コスタからの裏へのふわりとしたボールにソルダードが抜けだすもトラップが上手くいかず、シュートに繋がらない。
そのボールを奪ったPSGはパストーレの裏へのパスにイブラが左サイドで飛び出し、ラミとの1対1を往なしながらペナルティエリアの角からシュート。
そのシュートをグアイタがはじくとボールはフリーのポチョ・ラベッシの目の前に。
しかし、ボールの勢いがあり過ぎたためかボールにしっかり触らず、ポチョが蹴ったボールはゴール右へ。
PSGは絶好の追加点のチャンスを逃す。

しかし、その後72分、再びPSGにチャンスが訪れる。
イブラがシャントームとのワン・ツーから抜けだしシュートもグアイタが弾くが、シャントームが押し込むが、オフサイドの判定。
しかし、シャントームのオフサイドについてはその前に触ったのがイブラではなくジョアン・ペレイラのように見えたため、非常に微妙な判定であったことは間違いない。

その直後の76分、今度はバレンシアにチャンスが訪れた。
中盤のティノ・コスタから出たパスに反応したネルソン・ヴァルデスがアレックスの微妙な反応を交わし、シュートを放つ。
しかし、これもサイドネット。

その後カルレットは、後半はイブラと2人でバレンシアディフェンスを崩していたポチョ・ラベッシに代えて、ジェレミー・メネーズを投入。
継続してイブラと2人で崩すことを狙い続ける。


☆顕在化したタリアベント劇場
この日の主審、パオロ・タリアベントはセリエファン中心にある意味有名な主審で、ゲームをぶち壊すことに定評がある。
試合を通じて判定基準には疑問が呈されているが、それもそこまで不思議なことではない。
しかし、その中でも目立ったのは82分、バレンシアのカウンターからチャンスを作り出そうとするティノ・コスタのパスを絶妙のポジショニングでカットして攻撃をぶち壊したところからだろう。

90分、右サイドで倒されたネルソン・ヴァルデスのシーンにタリアベントが笛を吹く。
蹴るのはティノ・コスタ。
セットプレーを守るPSGディフェンスとシリグの間の絶妙の場所にボールを供給すると、フリーで抜け出したのはアディル・ラミ。
左足でちょんと合わせてバレンシアが1点を返す。
流れが完全に変わった瞬間だった。
これでやや落ち着きをなくしたPSG。
そこでイブラに激しいプレスで更に追い打ちを掛けたパレホに、イブラが乗じてしまい、レッドカードを受けたところで試合終了。
パリ・サンジェルマンにとっては結果は悪くないものの、苦々しさの残る試合となってしまった。


☆監督の経験値の差
この試合、終わってみれば両チームのファンにとって苦々しい思いをするものになってしまった。
これはひとえにタリアベントの成したものではあろうが、それはある意味表面上のものでしかない。
バレンシアのバルベルデ監督が押し通したのは、ある意味リーガらしいポゼッションフットボールであり、カルロ・アンチェロッティが打ちだしたのは個の力を最大限に引き出した狡猾なイタリア・カルチョであったと言える。
勝ったパリ・サンジェルマンは次節イブラとヴェッラーティを累積で欠くこととなるが、次節はこの試合と打って変わってより守備を重視したものとなるはずだ。
おそらく後半最後のようなポチョ・ラベッシとおそらくジェレミー・メネーズだけでバレンシアディフェンスを攻略するところまで図る可能性は高い。
バレンシアは中盤の選手層が厚く、別の戦い方も出来たはずである。
次節はより攻撃的になることであろう。
しかし、筆者は思う。
ダビド・アルベルダを起用すべきであったのではないだろうかと。
リーガレベルではお世辞にもテクニックに秀でているとはいえないだろうが、ホームだからこそ、アウェイゴールが鍵になりやすいトーナメントでの戦いだからこそ、必要ではなかっただろうか。
1st legの軍配はカルロ・アンチェロッティに上がった。
その経験値によって。

試合結果

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[UEFAチャンピオンズリーグ]決勝トーナメント1回戦1st leg セルティックvsユヴェントス ~スコットランドの魔境から~

UEFAチャンピオンズリーグにお楽しみの決勝トーナメントがやってきた。
ユヴェントスは国内でも相変わらず強さを見せ、直前のフィオレンティーナ戦では完勝を納め、スコットランドに乗り込んだ。
迎え撃つはセルティック。
こちらは国内最大のライバル、グラスゴー・レンジャーズが破産によりスコッティッシュプレミアの舞台から一時姿を消しているため、国内では無敵の強さを誇るようになった。
そんな国内での圧倒的強さがヨーロッパの戦いに挑む上で余裕となり、バルセロナ、ベンフィカ、スパルタク・モスクワと同組となったグループステージでも、ホームではセルティック・パークでバルセロナを返り討ちにしてみせ、グループ2位で決勝トーナメントに進んで見せた。


☆スタメン
スタメン・フォーメーション
セルティック:4-4-2、ユヴェントス:3-5-2


☆鋭く高いセルティック、鋭く堅いユヴェントス
セルティックの戦いはグループステージ中ずっと一貫していた。
守っては4+4の2ラインを引き、中のスペースを固めてできるだけサイドに追い込みクロスボールはあまり遮らない。
センターには高く屈強な選手を置き、競り合いでは負けない。
攻撃ではその逆をやる。
アタッキングサードに入れば基本的にシンプルにサイドに叩き、サイドからアーリー気味にシンプルに中に折り返す。
徹底しているのは逆サイドの選手が中に入りしっかり競り合うという基本的な約束事である。
ギリシャ代表のゲオルギオス・サマラス(193cmと高身長)がサイドハーフとして活躍しているのもその約束事とは密接に関係している。
これでバルサも、ベンフィカも、スパルタク・モスクワも討ち払ったのである。

対するユーヴェはこの日、セルティック対策を徹底した。
右ウィングバックはいつも通り、競り合いにも強いリヒトシュタイナーを置き、左ウィングバックにはセンターバックも兼任するフェデリコ・ペルーゾを配した。
こうすることで逆サイドからのクロスに飛び込むサイドハーフなどにしっかりと人数を掛けて対応する。
センターは元から数的優位。
クラウディオ・マルキージオが攻撃では爆発した。


☆思わぬ僥倖、イタリア人FWらしい競り合い
立ち上がりセルティックがかなりハイテンションでプレッシングを掛けていた。そんなハイプレスにマルティン・カセレスが思わず出したロングフィードにナイジェリア代表でアフリカネーションズカップを制し、帰ってきたばかりのエフェ・アンブローズとアレッサンドロ・マトリが競り合った。
間違いなくフィジカル能力でマトリを圧倒していたはずのアンブローズがマトリのちょこまかとした動きに気を取られ、ボールの落下点を誤る。
そのボールを拾ったマトリが後は押し込むだけだった。
前半2分にしてユーヴェはラッキーな形で貴重なアウェイゴール、そして先制点を奪ったのであった。


☆いつも通りのセルティック、対応するユヴェントス
先制点を取られたものの、主導権を握っていたのはセルティックだった。
奪ってはサイドに叩き、非常に高い精度のクロスを連発する。
このクロスに競るのは2トップのフーパー、コモンズ、そして、逆サイドのサイドハーフと的の数もしっかり整っていた。
それに対し、ユーヴェもしっかり対応した。
競り合いにはセンターバック3人がしっかり対応、セカンドボールをピルロ、ビダル、マルキージオや逆サイドのウィングバックで拾った。
しかし、ユーヴェも攻撃でそこまで上手くいったわけではなかった。
セルティックのブロック形成と徹底したピルロマークがあり、バックラインからのロングフィードしか選択肢がないシーンが目立った。
そんな中、目立ったのがマトリとマルキージオであった。
マトリは先制点のシーンで上手くやったことから自信を持ったのか、そうしたバックラインからのフィードにしっかりと競る。
英国のFWにはあまりない、競り合いの駆け引きを持つイタリア人らしく、細かい動きで競り合いを仕掛け、セルティックディフェンスを焦らせる。
このボールにマトリ周辺でのサポート役のヴチニッチや、中盤から一気に前に攻め込むマルキージオが反応し、何回かチャンスを作った。
マルキージオはこうしたFWのポストプレーなどで空いたスペースからバックラインの裏を一気に狙ったりと、終始ピッチの広い範囲を自在に動き回った。


☆目立つリヒトシュタイナー
そんな試合の中でもう1つの目玉シーンはセルティックのセットプレーのシーンだった。
ブッフォンにプレッシャーを掛ける役割を担っていたフーパーに対するリヒトシュタイナーの執拗なプレッシャーは試合最後まで注目され、パークヘッドのブーイングを浴び続けた。
逆に言えば、コンテはリヒトにあそこまで執拗なプレッシャーを命ずるほど、セルティックのセットプレーに警戒心を抱いていたし、その指示は最後までセルティックの選手達の集中力を削ぐほどまでに効果を発揮したと言ってもよい。
こちらもコンテが勝利した要因とも言える。


☆勝負が決するとき
勝負の決し方は時に呆気なくもある。
主導権は握っていたように見えていたセルティックに、最後の最後に引導を渡した形もそれだった。
セットプレーなどを多く取られ、守っていたユーヴェが何とないビルドアップから、ペルーゾ→マトリ→マルキージオと簡単に繋いで裏を取り、マルキージオはしっかりと決めて見せたのである。
マトリのポストプレー、マルキージオの2列目からの飛び出しを使ったこの形はユーヴェが終始狙い続けていた形の典型例とも言うべき77分のゴールだった。
このゴールでガクッとペースを落としたセルティックに、ユーヴェはいつものゲームをシャットしに行く形を使う。
中盤を厚くしつつ、前プレを再強化した。
その前プレでのボール奪取からダメを押したのはヴチニッチ。
83分のゴールだった。

試合結果


☆師の教えにぶつかるとき
正直に申し上げると、セルティックと対戦するのがミランであればあっさり負けもあっただろう。
あれほどまでに正確なクロスをあれほどまでに数多く放り込まれ、高さのある選手が競って来る。
今シーズンのミランであれば、それがどれほどまでに危険なことかお分かり頂ける方も多いと思う。
しかし、ユーヴェは違う。
競り合いに強い選手が多いユーヴェはこの手の相手にしっかり対策をすれば、クリーンシートも取れるのである。
こうした相手はセルティックにとって今シーズン初めてのものであったのではないか。
もちろん、サマラスを怪我で欠いたことも大きかったが、セルティックにはこうしたシンプルな戦いに対応してくる相手に対する、変化を与えるような選手が不足していた。
セルティックの監督ニール・レノンは中村俊輔がセルティックでプレーしていた際に、共にプレーしたハードファイターとしても記憶されてる方も多いのではないか。
そんな彼はその時のセルティックの監督ゴードン・ストラカンにセルティックのコーチの就任要請を受け、セルティックに凱旋したところから彼の指導者としての人生ははじまっている。
そのストラカンのセルティックにはいつも中村俊輔がいた。
中村俊輔がスコッティッシュプレミアの顔となったのは、ある意味以外なことだった。
キック&ラッシュでロングカウンターを仕掛ける傾向が特に強かった当時の英国サッカーにおいて、ナカムラはそのサッカーにはそぐわない選手だった。
しかし、ストラカンはナカムラに拘り、ナカムラを寵愛した。
そんなストラカンの姿がニール・レノンに今、よみがえっているに違いない。。。

ストラカン
(ゴードン・デイヴィッド・ストラカン)

中村&ニール・レノン
(現役時代のニール・レノンと、セルティック時代の中村俊輔)




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プロフィール

迫恵駆緒

Author:迫恵駆緒
セリエファン、アッズーリファンという視点からカルチョ、フットボール、サッカーを分析します。
賛否両論あると思います。
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