スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Tag:スポンサー広告 

[月刊コラム Vice Versa 初回]"仁義無き「メディア」使いの戦い、その中の愛の物語"[ACミラン]

時は2015年4月、ACミランを取り巻く空気はここ近年と漏れなく暗い。光を見つけては闇へ。闇の奥深くに入り、「危機感」に苛まれてやっと光を見つける。しかし、その「光」はそう長くは続かない。

ピッポ・インザーギは今尚、監督の座にある。それはほどんど彼の力ではない。彼の最高のファンである人物によるところが大きい。アドリアーノ・ガッリアーニ副会長代理兼CEOは1度ならず、複数回、彼の危機を救っている。彼の愛は今、シルヴィオ・ベルルスコーニ・オーナーではなく、ピッポ・インザーギに向かっている。思い出せる人は思い出して欲しい。あの場面。ガッリアーニは「最愛の人」、シルヴィオ・ベルルスコーニの横で、大はしゃぎで喜んだアテネのゴールシーンの喜びを。決めたのはピッポ・インザーギだった。(ピッポ・インザーギはあの「アテネのリベンジ」を果たす2ゴールを挙げた。)一方、彼の愛人(シルヴィオ・ベルルスコーニ)は彼(アドリアーノ・ガッリアーニ)を裏切り、娘バルバラを選んだ。これはある意味、世の中の摂理に従ってのことでしかない。あらゆる愛も、「親子の愛」に勝るものはない。多くの人がそのことを知っている。
それでも、ガッリアーニはそんな「最愛の人」を愛し続けながらも、彼は彼のビジネス人生で、最高の歓喜を齎した人物をも愛している。ここまで愛しているとわかったのは、「新たな愛人」がミランプリマでの輝かしい監督としてのプレデビューの続きを披露することではなく、サッスオーロというセリエAに昇格チームではあるが降格の危機にあるチームでの「経験」を選ぼうとしている時であった。

当時のミランは荒れに荒れていた。まず、アドリアーノ・ガッリアーニは「本元の愛人」であるシルヴィオ・ベルルスコーニの裏切りを感じた。「本元の愛人」は2度もガッリアーニではなく、娘のバルバラ・ベルルスコーニを優先した。少なくとも、ガッリアーニにとって長年寄り添った「本元の愛人」としての地位・誇りは既にその時点で崩壊していた。その2度の裏切りとは、1度目は「バルバラ・クーデター」と呼ばれる事件(詳細はこちら)、2度目は、マッシミリアーノ・アッレグリの後任監督を選ぶ際の件。アッレグリの後任監督に、アドリアーノ・ガッリアーニが選んだのはピッポ・インザーギ。選ばれたクラレンス・セードルフはバルバラ・ベルルスコーニによる推薦だった。クラレンス・セードルフを選択したクラブに失望したピッポ・インザーギは、より重要な経験を求め、セリエAの残留争いにおいてもがき苦しむサッスオーロの監督になることを選択した。しかし、アドリアーノ・ガッリアーニはこれを翻意させたのである。

ガッリアーニvsバルバラの対立はもはや単なる「対立」ではない。「戦争」に近いと筆者は見ている。なぜ「対立」ではなく、「戦争」と呼ぶかというと、この争いには既にACミランというチームの中での「権力」をどちらが獲るかというレベルの問題に達しているから。今はあまりその「対立」は目に見えないところにあるが、内部でのあらゆる重要問題には常に、バルバラ・ベルルスコーニによるメディアへの先手取りの動き、そして、その後のアドリアーノ・ガッリアーニによる対応という2つの動きがある。今は、ミランの歳入を増やすことだけに従事しているように見える彼女だが、ビー・タエチャウボル氏によるミラン株式25%購入の話題に際しては、彼女が親より譲り受けた繋がりにより贔屓にしているメディア(ANSA.it)を通じて、ワルテル・サバティーニ招聘の噂を流すことを行ってみたり、彼女が現在目を付けているフィオレンティーナの監督を1月に解任させようと動いた監督の後任監督に位置づけてみたりとカウンターパンチにも枚挙に暇がない。
メディアを使ったあらゆる行動の有利化を計る能力において、父シルヴィオ・ベルルスコーニ譲りの実力があるバルバラ・ベルルスコーニは、同様にメディアの使い方を熟知しているアドリアーノ・ガッリアーニと対等、いや、それ以上の能力がある。何よりもまずガッリアーニは常に後手を選ぶ癖があるのに対し、バルバラ嬢は常に先手を選ぶ傾向が強いという点は特筆すべき点だろう。1月のインザーギ解任報道のさきがけは紛れもなくバルバラ・ベルルスコーニによるANSA.itへの父の発言(とされる言葉)のリークであり、慌てて父シルヴィオ・ベルルスコーニがストップをかけるという流れに至っている。
ただし、こうした先手は常にバルバラ嬢を有利な風潮作り上げている。メディアの次にその風潮に乗りやすいクルヴァ・スッド・ミラノ(ミランのゴール裏に陣取るファン集団)が後押ししてくれるからである。クルヴァ・スッドは、自分達に阿ることのないアドリアーノ・ガッリアーニを最も嫌う集団であり、ガッリアーニを批判できる素材をいつも捜し求めている集団でもある。今のクルヴァ・スッドはアドリアーノ・ガッリアーニを批判する為であれば、手段は選ばない。それが例え、彼らが主張した「ピッポ・インザーギの解任回避」に反する行為だとしても、批判を目立たせる為の容赦はない。今のミランとミラネッロ(練習場)を取り巻く空気はこの2つの集団による相乗効果が成したものだと筆者は分析する。

そもそも、ミランの今シーズンの目標は何であったか。それはヨーロッパ・コンペティションへの復帰であり、あわよくばチャンピオンズリーグに帰ること。チャンピオンズへの復帰を強く望んだのはピッポ・インザーギであり、目標はそこにあるが、ノルマではなかった。それはピッポ・インザーギに高いハードルを科したくないというアドリアーノ・ガッリアーニによる努力の賜物でもあったのだ。
しかし、3月上旬の解任報道。各メディア(特にスポーツ紙、Sky Sportはやや引き気味からこの情勢を伝えた)が強く推した「エラス・ヴェローナに勝てなければ解任」はそうした目標・ノルマ設定に対し、あまり重要な意味を持つゲームではなかった。それよりもむしろ、ホアキンに沈められることになる次節フィオレンティーナ戦の方が目標・ノルマに向けた最重要の試合であった。
「不必要な重圧」が掛かったピッポ・インザーギの「自滅」を望むのは、ピッポ・インザーギを推すアドリアーノ・ガッリアーニの「更なる失墜」を望む"Lady B"(ここでは敢えて名前を伏せることにしよう)である。メディアは多くのネタを振りまいてくれる彼女に縋り付くべくこの肝心の点を伝えることはない。しかし、これはミランに有利な報道を書かせるために疾走していた頃のアドリアーノ・ガッリアーニに阿るために、肝心の点を報じなかった過去のメディアと何ら変わりのないことである。ミランとイタリアのメディア(特に「売り上げ」が絶対的に必要な新聞紙)の膿は溜まりに溜まっている。そして、悲観的な論調を好む一部のイタリア人の気性も相俟って、空気は重く、暗いままなのである。この「戦争」を終わらせることが無い限り、ずっと。毎年。これが、今のミランの現状であり、イタリアメディアの悪しき伝統でもある。

さて、そうしたメディアやクルヴァ・スッドの醸し出すハーモニーに載って、共に歌を歌う方々に、筆者はこう問うことにしよう(この問いが届くことはないであろうが)。ピッポ・インザーギのミランになってもなお、アドリアーノ・ガッリアーニの仕事に変化はないのか、と。例えば、ジェレミー・メネーズ。イビサ島での電撃会談に至る直前、アドリアーノ・ガッリアーニはジェレミー・メネーズの獲得に反対していたことは周知の事実のはずである。ピッポ・インザーギはこの事実を日本に向けては発信している(『ワールド・サッカー・ダイジェスト』内「ミラン戦記」より)。さらには今冬の獲得の中で、アレッシオ・チェルチを望んだのはピッポ・インザーギであることも同様だ。さて、アドリアーノ・ガッリアーニが望みもしない選手ではあるが、ミランの監督が望んだために獲得した選手は過去、存在したのだろうか。答えは限りなくNoに近い。唯一、近年の獲得で存在したのは、マッシミリアーノ・アッレグリの要望で獲得したミランプリマ発のFWアレッサンドロ・マトリのみである。そんなマトリの獲得も、自らが拒否権を発動したことによりストップが掛かったカルロス・テヴェスの獲得の代案であることを、"Lady B"は隠蔽しながら、批判の対象にしていることはここに明記しておこう。奇しくも、アドリアーノ・ガッリアーニが密かに獲得に動き、泣く泣く見送るしかなくなってしまったカルロス・テヴェスはセリエAの得点ランクで上位にあり、彼を指揮する監督は当時のミランの監督マックス・アッレグリであり、共にミランにいないことは言うまでもないことかもしれないが。

リヴァイアサン1 (古典新訳文庫)リヴァイアサン1 (古典新訳文庫)
(2014/12/05)
ホッブズ

商品詳細を見る
スポンサーサイト
...more
テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

Tag:月刊コラム  Trackback:0 comment:0 

プロフィール

迫恵駆緒

Author:迫恵駆緒
セリエファン、アッズーリファンという視点からカルチョ、フットボール、サッカーを分析します。
賛否両論あると思います。
ぜひ、コメントで御感想などお待ちしております!!

最新記事
検索フォーム
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

スポンサードリンク(広告)
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。