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[月刊コラム Vice Versa 第3回]"「沈黙の逆襲」~「負けるが勝ち」と「急がば回れ」~


[アドリアーノ・ガッリアーニの沈黙]

2015年6月29日が30日に差し掛かった頃、イタリアのSky Sportはアドリアーノ・ガッリアーニとアンドレア・ベルトラッチのデート現場に迫った。ベルトラッチのミランの選手として初めての夕食会を終え、お開きになった頃のことである。いつもならこういう時、アドリアーノ・ガッリアーニは喜んで立ち止まり、満面の笑みで語り出す。もちろん、アンドレア・ベルトラッチはイタリア人であること、イタリア人であること、既にイタリア代表選手であること、先日のアッズーリでもプレーを披露したこと、更には若いこと、何よりミラニスタであることを強調するだろう。そして、最後にこう言う。「シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長に感謝しなくてはならない。会長がミランに素晴らしい選手 を獲得させてくれたんだ。」と。しかし、この日のアドリアーノ・ガッリアーニは「No, No, No.Grazie, grazie...」と言うだけで立ち止まりもせず、何度も何度もマイクを向けるSkyのレポーターに対し、少々の言葉を返すだけだった。
「ベルトラッチについて?彼は素晴らしい選手だね。彼のことは長い間追っていたよ。他のMF?誰が知ってるんだ。誰がそう言うことが出来るんだ。」
あまりにも異例の短い談話が残るのみだった。

アドリアーノ・ガッリアーニが最後に公の場でメディアに口を開いたのは6月19日のこと。そう、あの「コンド・ダービー」と呼ばれるジェフレイ・コンドグビア争奪戦の最中、モンテカルロ以来、実に10日振りに、メディアに向けての声明発表の場だった。この10日、アドリアーノ・ガッリアーニは常に沈黙を保ち続けた。ジェフレイ・コンドグビアの一件、ジャクソン・マルティネスの件で、ガッリアーニは方針を変更した為である。名付けるとすれば、「闇で動くガッリアーニ」と言ったところであろうか。(ジェフレイ・コンドグビア、ジャクソン・マルティネスの一連のミラン側の経緯は既に日々更新の拙稿にて紹介済み。)

この10日間のメインテーマはジェフレイ・コンドグビアとジャクソン・マルティネスを逃した痛手を、静かに取り戻すことであった。その結果、最終的に合意に取り付けたのが、アンドレア・ベルトラッチとカルロス・バッカ。前者は昨日ミラン加入が正式発表となった。明日・明後日中には、カルロス・バッカのACミラン加入も正式発表となる見込みである(本日ミランのスタッフがコロンビアへ出発。メディカルチェックと契約書へのサインはコロンビアで行う)。アンドレア・ベルトラッチは端的にミラン加入に好意的であり、正式発表となった今は、非常に喜んでいる。ローマには好意的な交渉を感謝しなければならない。ローマは苦労して同選手の共同保有権を買い戻したばかりであったが、本人の意思を尊重し、吹っかけすぎることなく、共同保有権の買い戻しに掛かった費用に少々の利益を付け加えたのみの額で合意してくれたのであるから。

しかし、こうして、コンドグビアの替わりにはベルトラッチを、ジャクソン・マルティネスの替わりにはカルロス・バッカを、それぞれ獲得することが決定的となった今でも、アドリアーノ・ガッリアーニは沈黙を保とうとしている。その理由はコンドグビア+ジャクソン・マルティネスで7500万ユーロの移籍金を使う予定であったのが、ベルトラッチ+バッカで移籍金5000万ユーロを使うことになった、そのインパクト(特に対メディア、対一般向けイメージに対する)の差である。端的に、アドリアーノ・ガッリアーニはまだ満足していない。付け加えておくのであれば、アドリアーノ・ガッリアーニの求めているインパクトはゼニト・サンクトペテルブルクのベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルでも、アスレティック・ビルバオのDFアイメリク・ラポルテでも、ASモナコのチュニジア代表DFアイメン・アブデヌルでもない。アタランタのMFダニエレ・バセッリとパルマ所属からフリーになるMFジョゼ・マウリはイタリア人若手枠として、満足一部分が得られるだろう。バセッリの獲得の前に、少なくともスレイ・ムンタリの放出を決めたいのがミランの意向であり、アントニオ・ノチェリーノの放出も考えているというのが現段階である。なお、ASローマのDFアレッシオ・ロマニョーリは、シニシャ・ミハイロヴィッチ監督の希望である。非常にハードルが高いが、ローマの出方がミランの動きを決める。ローマが売りたくないと言えば、ミランは無理には動かないだろう。DFに関しては、ミランはハッキリとしたスタンスを既にミランチャンネルが発しているのだから。
「市場に出ている選手を探している。」
と。


[ネリオ・ルーカス=ドイエンスポーツの逆襲?]

ACミランは6月になってようやく、ビー・タエチャウボルによる株式48%買収を公式に発表した。5月初頭には既に合意に至っていた買収が1ヶ月もの間、公式にならなかったのは、端的にシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長が力を入れていた「選挙」が5月末に行われたからであり、この選挙イメージの為にも、会長はミランの売却を公式発表するわけにはいかなかったのである。

さて、そのビー・タエチャウボルを見つけ、連れてきたのは誰か。その人こそ、ドイエン・スポーツのネリオ・ルーカスなのだ。もちろん、ビー・タエチャウボルのミラン買収資金の一部は、ドイエンスポーツからも提供されている。その資金を自らの懐に回収するべく、アドリアーノ・ガッリアーニに付きっきりで獲得の「補助」をしたのが、ミランのジャクソン・マルティネス、ならびに、ジェフレイ・コンドグビア獲得オペレーションであった。

ネリオ・ルーカスの狙いはこうだった。
まず、FIFAが選手の保有権を第三者(銀行や投資会社)が所有する(TPO)ことを禁止するという方針を打ち出し、その規定の締結に動いている。まさに、ドイエンスポーツはその第三者(投資会社)にあたり、現在のドイエンスポーツの業務は著しく損害を受けることになる。故に、ネリオ・ルーカスは現在、第三者として保有権を有している選手を一旦、クラブに売却する必要が出てきている。ジェフレイ・コンドグビアにおいては、その保有権の80%をドイエンスポーツが有していると言われていた。なぜミランにコンドグビアを売りたかったのか、それはミランに少なからずドイエンスポーツの資金が流れていたこと、そして、セリエAでは保有権の第三者保有は許可されていない為である。ミランはそういう意味で、ドイエンスポーツにとって、恰好の選手の「受け皿」であった。

もう1つ、暗に意図していたネリオ・ルーカスの狙いは、保有権の所持により、ドイエンスポーツは堂々と選手の交渉に介入できる為、その交渉の手引き(代理人がやっている仕事に類似)をすることで、巨額のマージンを得たいというものであった。実際、いくつかの情報筋によると、ドイエンスポーツはジャクソン・マルティネスの件ではFCポルトに、ジェフレイ・コンドグビアの件ではASモナコに巨額のマージン要求をしていたという。

しかし、ネリオ・ルーカスの狙いは、これまで懇意の仲(ジョルジュ・メンデスはドイエンスポーツの設立に肩入れしている)にあったはずのジョルジュ・メンデスに(ジャクソン・マルティネス)、ジェフレイ・コンドグビアの件では(ミランとインテル)に、肩透かしを食らわされ、巨額のマージンという利益が得られず終わってしまった。さらに、それだけではなく、このことが決定打となり、アドリアーノ・ガッリアーニは念願の適切な関係を得ることとなり、ネリオ・ルーカスがあまり大きな顔で、ミランのメルカート事情に介入することができなくなってしまったのである。

というのも、アドリアーノ・ガッリアーニは念願のジャクソン・マルティネス獲得を内定させた後、自らの意図と、ネリオ・ルーカスの行動が、噛み合っていないことを感じていた。ガッリアーニはジャクソン・マルティネスの獲得を決めた後、ミーノ・ライオラと共にドーハに向かう意欲を見せていたのである。そう、ズラタン・イブラヒモヴィッチの復帰という念願を果たす為に。しかし、ネリオ・ルーカスはモンテカルロ行きを執拗に催促した。その時にアドリアーノ・ガッリアーニが親しい情報筋に漏らしたのが、以下の言葉であった。
「ネリオ・ルーカスはミランのスタッフではない。彼はミランのメルカートに対する助言者であり、協力者なのだ。だが、ミランのスタッフではない。適切な距離感が必要なんだよ。」

ネリオ・ルーカスは今、ポルトガルで、FCポルトとフランス代表MFジャンネッリ・インブラの獲得オペレーションに参加している。横槍を入れた形のポルトだったが、すんなりとインブラの獲得を決定付けたと言われている。争奪戦になったインブラの獲得に迫っていたのは、インテルミラノと、バックにジョルジュ・メンデスのいるバレンシア。ただし、バレンシアでジャンネッリ・インブラの獲得を望んだのはジョルジュ・メンデスやヌーノ・エスピリト・サント監督ではなかったという噂だが。ジョルジュ・メンデスが獲得を望んでいたのは、同氏が保有権を有しているサン・パウロのMF&DFロドリゴ・カイオである。残念ながら同選手も、複数回のメディカルチェックを通過できず、ブラジル、サン・パウロ州に帰還が決定してしまった。なお、その原因となった怪我は、ジョルジュ・メンデスがロドリゴ・カイオの保有権を購入した直後の昨年8月に負った左膝前十字靱帯損傷であろう。彼はこの怪我により半年以上戦列を離れ、最近やっとの思いで復帰したばかりであった。
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Author:迫恵駆緒
セリエファン、アッズーリファンという視点からカルチョ、フットボール、サッカーを分析します。
賛否両論あると思います。
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